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2008年6月 7日 (土)

幅の広い麺

酔華さんのところの記事で太合殿の「きしめんと牛肉の炒め」の話が出ていた。そういや、中華街のいろんな店で似たような品が出ている。しかし、似ているけど店によってかなり違うのだ。今回はその辺をいろいろと書いてみる。

まずは当の記事にあった太合殿の「きしめんと牛肉の炒め」だが、日本語で「きしめん」と言ってもこの料理の場合、麺の分類としては「河粉」にあたる。これは米の粉を原料としていて、こねた生地を広げて蒸し、シート状に作ったものを切って麺にしたものだ。米粉の他にも浮き粉やコーンスターチを配合したりするようだ。この辺の作り方に関する記述は南青山にあるESSENCEの料理長ブログに詳しい。

で、作る際の粉の配合具合によると思うのだが、いろんな食感のものができるようだ。太合殿のものは結構パリっとした感じというかハリハリ感が強く、脆くてほとんどコシが無い。なお、このハリハリ感はベトナム麺のフォーにとても似ている。フォーの作り方について記述されているこちらの記事を見るに、もともとフォーの源流は河粉にあったようなので、なるほどねという感じだ。下の写真は太合殿で食べた時のもの。850円だった。麺としてはコシがなくてハリハリして脆いので、普通の麺だと思って食べると、あれっということになる。

2008_0501___850

さて、切って麺にしないで、そのまま具材を包んで蒸したものは「腸粉」である。腸粉は大珍樓別館や新福記あたりで食べられるが、太合殿で食べた河粉と全く同じ質の生地かというとそうでもなさそうだ。多分粉の配合が違うのだと思うが、結構むっちりした感じの生地である。叉焼や海老などを包んで甘いタレで食べる腸粉は結構好きな品の1つだ。下の写真は大珍樓別館で数年前に食べた「海老のクレープ包み」。当時の価格が630円と比較的お手軽に食べられる点心であった。

2005_1112___630

次は太合殿のものよりもう少し麺らしい食感があった品。楽園の「中国キシメンの焼きキシメン」、900円。かなり昔に食べたものなので記憶があいまいだが、麺が河粉だったかというと違ったような気がする。ハリハリ感はあまり無くて、普通に薄いきしめんを焼いたような味だったと記憶している。

2003_0101___900

菜香新館の季節限定メニューに「梅菜と豚肉の蒸篭きしめん」というのがあって、食べたことがある。蒸籠の中にきしめんが入っていて梅菜がトッピングされ、そのまま蒸されて出てくる。それを取り分けてタレをかけて食べたのだが、かなりおいしかった。価格は当時850円。麺自体はかなりもっちりしたタイプだった。作るのに時間がかかると言われて、結構待った料理だったが、これはおいしかったのでまたやって欲しいなあと思う。頼む人が少なそうだけど。

2003_0420__2_850

あとは、大珍樓別館で「牛肉とキシメンの炒め」というものがあった。食べた当時の価格は850円。この時の麺はかなりコシが強かった。食べた感じでは、麺というよりは腸粉の皮のコシが強いヤツを畳んでかたまりにしたような物体だった。

2005_1029___850

上の写真だと麺の部分がよく分からないと思うので、大珍樓別館で食べた似た品をもう1つ。これは「陳さん村のニンニク蒸しクレープ」。食べた当時の価格が800円。上の写真のものはここまで太くなるほど畳んでいなかったと思うが、大体こんな感じである。おいしいのだが、結構味が単調なので一人で食べていると途中飽きてきた。こういう品は複数人で行った時に注文した方がいいと思う。

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あと最後、「優味彩(前の杜記紹興酒荘)」で食べた「豚ほほ肉の黒胡椒焼きビーフン」、800円。「ビーフン」となっているが、これもかなり幅のある麺である。中国語の方のメニュー名では「炒河」となっていたので河粉系列だとは思うのだが、食べてみた食感はハリハリ感が全く無くて、かなりもっちり感の強いタイプであった。

2008_0521____800

とまあ、日本語名で見ても中国語名で見ても意外にこの幅広麺関係はメニュー名と出てくる物のイメージが一意に定まらないようだ。この手のものを注文する際は、意外な食感のものが出てくるかもしれないので注意が必要である。逆にこういうところがおもしろかったりするのだけど。

ところで、幅広の麺の話ではないが、酔華さんの記事についていたコメントで、陸羽さんから麺の第六の系列として挙げられた「瀬粉」というのに最近興味を持っている。これはいったいどういうものだろうか。私としては今のところ、多分押し出し麺の亜流だろうから第六というほどのものでは無いだろうと思っていたり、粉を溶いたものを鍋の穴から湯に落としただけで麺として形成できるという話も、普通の粉でできる気がしないのでちょっとにわかには信じがたいと思っていたりする。というわけで、この不思議な品についてはぼちぼち調べていきたい。ちなみに座間かおりさんのブログにこの品についての記述がある。この方の叔父さんは醉樓の人のようだ。で、瀬粉は特殊な粉が必要なような話がちょっとだけ出ていた。調査は難航しそうだが、ゆっくりのんびり進めていきたい。

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