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2009年12月30日 (水)

2009年を終えるにあたり

2009年ももうすぐ終わり。例によってこの1年を振り返ってみる。

下のグラフは、横浜中華街における中国料理を出すレストランとして私が把握しているお店の廃業・開業状況についてまとめたものである。2007年頃から廃業・開業数が急激に伸び始めて、2008年はそれまでの数年で最高の廃業・開業数だった。そして、2009年の開業数は2008年からさらに増え、ここ数年で最高の開業数となった。一方、廃業の方は2008年の約半分に留まり、そろそろ廃業は落ち着いてきたかな、と思える状況になってきている。

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今年のトピックスとしては、長年親しまれてきたお店が次々に消えてしまったことがあげられる。特に「茉莉花」、「栄楽園」、「珠江飯店」の閉店はショックであった。「茉莉花」、「栄楽園」については地元密着型の小店舗だったこともあり、閉店直前はご近所の方々を含む駆け込み訪問で満杯になり、店に入れないという事態もたびたびあったほどだ。

新規店舗については、昨年に引き続き既存店舗の系列としての出店が多い。特に「福満園」グループは直系ではなくても親戚筋のような店舗が多く、中華街内でかなりの勢力になっている。「龍江飯店」系、「廣翔記」系も積極的に出店して店数を増やしている。

そんな中、今年は他業種からの参入や中華街の外からの出店なども見え始めており、開業も多様化しつつある。「日昇酒家」は近所の八百屋さんである「日昇」からの出店である。「清香園」は藤沢の中国料理店からの出店、「北京」は西新宿からの移転である。「始皇帝」が少々異色で、服飾屋さんからの業種変更という出自だ。

2008年はチャンピオン・金メダル系の企画臭のする店舗や食べ放題の出店が非常に多かったが、今年もその傾向を引きずっているものの、グループ内で多少バリエーションをつけるような動きが見え始めている。食べ放題の系列で、通常メニューの店を出してみたり、金メダル・チャンピオンの系列で麺類のお店を出してみたりと、これまでとは毛色が変わりつつあるようだ。

総じて2009年の中華街は、相変わらず改廃が激しく系列店舗の出店が多いものの、独特な出店もいくつか出てきており、バリエーションが回復する方向に向かっているように思える。勝ちパターンの拡張一辺倒という出店はもはや飽和しつつあり、今後この手のパターンは減ってゆくのではないだろうか。そして、ここ数年で異常に拡張した店舗の中でも淘汰が始まるのではないかと思っている。

ともあれ、2010年ものんびりマイペースで中華街の観察を続けていきたい。来年もおいしいものをいろいろ食べることができますように。

(以下参考)

【2009年廃業店】
・海勝昌
・天々好
・茉莉花
・太合殿
・栄楽園
・国賓菜館
・鳳城酒家
・鴻昌支店
・五洲
・謝謝
・珠江飯店

【2009年開業店】括弧内は系列と思われる店舗

・新福記北京ダック館(新福記系)
・馬さんの点心工房(龍仙系)
・麒麟閣
・日昇酒家
・生福園
・金鳳酒家(龍江飯店系)
・大連餃子基地
・三国志新館(三国志系)
・梅蘭金閣(梅蘭系)
・廣翔記新館(廣翔記系)
・客満堂二番館(客満堂系、福満園系?)
・景徳鎮新館(景徳鎮系、福満園系?)
・清香園
・五福臨
・華龍飯店(龍江飯店系)
・麺王翔記(廣翔記系)
・彩園(彩香系)
・北京
・始皇帝
・朕之味(福満園系?)
・王朝(皇朝系)
・翡翠楼新館(翡翠楼系)

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コメント

昨日、久々に中華街を一周散策しました。
日々見守ってきた方々よりも、久しぶりに会った甥っ子を観るような変貌ぶりに・・驚きました。 みなさんの記事で読んで見て・・知ってはいてもそこにあるべき店舗が変わってる違和感を痛感しました・・。

でも、弊店した後に すぐに別の店舗がオープンする新陳代謝の良さですかね。
シャッターストリートになってしまう悲哀を感じないで済むだけ救いですねぇ・・。

投稿: maruto082 | 2009年12月30日 (水) 09時40分

グラフを拝見すると、昨年の廃業の穴が今年の新装開店で埋まったという感じですね。

新装店の中では今年は多勢となったチャンピオン・金メダル系が新中華街を成しつつある一方、従来からの横浜華僑も3世・4世になり、その方達が古き良きをどう引き継ぐかが気になります。

90年代バブルの頃に家族が核化し、料理店を世襲しなくなったような世代が落ち着いた歳になり、この街を見直し祖父母・親世代の生き方を今一度見直している気配が感じられます。

投稿: ふ゛り | 2009年12月30日 (水) 10時00分

★maruto082さん

今のペースで改廃が進むと、半年も目を離すと
分からなくなっちゃう街になりそうですね。


★ぶりさん

昨年の廃業の穴が埋まったということに加えて、
物販系のお店が廃業した跡に料理店が続々開業している
ということもあって、この新規開業数になったのだと思います。

若い世代は既存店舗でも最近よく見かけるようになりました。
昔ながらのお店のホール担当などで、かなり若い世代を
見かけることが多くなってきています。
20代くらいのあの世代は、通常の就職が難しくなっている
ご時世もあってか、料理店経営に回帰しているのかもしれません。

投稿: 本須 | 2009年12月30日 (水) 18時17分

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