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2010年3月28日 (日)

中華街の甘栗

中華街の甘栗売りは近頃本当に増えた。ここ2年ほど客引きも激化していて、時々不愉快な場面を目にすることも多い。

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一時期は街にパトロールが出て、道の真ん中まで出で客引きするような栗売りに注意をしていたようなのだが、そのうちパトロールが無くなったら一時期おとなしくなっていた栗売りがまた道の真ん中まで出てくるようになってきている。

今は加賀町警察署と発展会共同の「栗の押し売りにはご注意ください」の看板が出る程度で、栗売りと取り締まりは拮抗状態にあるようだ。というか、取り締まりは諦めてもうほとんど自由にやらせているようにも見えるが。

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ところで、この栗売りも流行りのスタイルというのがあるようで、売れそうな手法が次々に開発され、真似されてゆくようである。ちょっと記憶が定かで無いので時期が前後するものがあると思うが、大体こんな風に変遷していったと思う。

・最初は一部の店舗が栗を売る程度。
・儲かると見て次々に売り場を設ける店が出てくる。
・料理店の軒先を借りて商売する栗売りが増殖。
・そのうち、試食をばらまいて売る手法を開発。
・売り子が積極的に路上に出て売る手法を開発。
・安い労働力の新人売り子が短期間に入れ替わるようになる。
・売り場間で栗の融通。在庫処理の効率化?
・半額セール多発。

というわけで、ここ最近は「半額ぅ、半額だよぉ~」という売り場を良く目にするようになったのであった。売れ残った夜間ならともかく、真っ昼間からやっているのには首をかしげてしまうのだが。

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で、それなりの頻度で中華街に行く身としては、道の真ん中まで出てきて栗を売りつける人々はかなりうざったいし、いちいち相手をしてられないので基本的にスルーしている。なので、甘栗自体にもほとんど興味を持たずに、料理店に向かうことがほとんどであった。

が、ある時ふと思ったのだ。中華街の甘栗ってどの程度の品質とコストパフォーマンスがある品なのだろう、と。

というわけで、たまに思い出したように甘栗を買って調べてみることにしたのだった。以下の例は一時期にまとめて調べた物ではないので、今では状況が違う売り場があったりするのかもしれないが、その程度の精度のものとしてご覧いただきたい。

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【聘珍大甘栗】

レストランとして十分に実績があるお店だけに、安心感は随一。中華街では聘珍茶寮前、本店前、北京小路、朝陽門脇の4ヶ所で売っている。今回購入したのは22個入り178g、525円であった。以降の例でもそうだが、重量は自宅で袋を抜いて栗のみ実測した値を記している。

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中には比較的大ぶりな栗が入っていた。買った時は新栗のシーズンだったので、渋皮が取れにくく、少々食べにくかったが、味は特に問題なし。甘栗ならばこうであろうという味が十分にした品であった。

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ところで、甘栗は爪で割れ目を入れて、脇から押してぱっくりと開いて剥いてゆくものであるが、ここの甘栗には爪で割らなくてもいいように補助具が付いている。名を「くりわり君」という。これがなかなか優れもので、栗を割る機能と、綺麗に剥けなかった場合に栗をほじり出す機能がシンプルに実装されている。考えた人は偉いな、と思った。

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今回アニメーションGIFでちょっとその様子を作ってみた。

これが、くりわり君で割って食べてしまうところ。

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こちらが渋皮が綺麗に剥けなかったケース。

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【紫禁城】

北門通りにあったレストランはすでに中華街に無い(牛丼のすき家になってしまった)が、甘栗の売り場は華勝樓脇に出している。今回購入したのは32個入りで253g、525円であった。

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栗の大きさは聘珍樓のものと余り変わらず。分量は多めで少しお得感がある。栗の皮は薄めで比較的剥きやすい。非常に剥きやすいものと、しっとりして渋皮が剥がれにくい物が混じっていた。新栗とそうでないものが混じる時期だったのかもしれない。

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こちらにも栗割りの器具が入っていたのだが、「くりわり君」でなくて「くりわり」。この辺、特許とか実用新案とかどうなっているのだろうか、とちょっと心配になった。見た感じは、構造は全く同じだ。

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【横浜大飯店】

こちらもかなり前から店頭で甘栗を売っている売り場だ。善隣門外側から見て、左側が横浜大飯店の栗売り、右側が聘珍茶樓の栗売り、とかなり昔から中華街の入口を抑えている栗売り場である。今回購入したのは、26個入りで210g、525円であった。

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こちらも栗の大きさは聘珍樓のものと変わらず。分量はやや多め。焼いた後水分をあまり飛ばさないまま詰めたようで、持ち帰ってみたら袋がふやけていた。全般的に剥きやすく、渋皮ごと皮が外れて食べやすい栗だった。焼き方が違うのか、栗の種類が違うのかは不明。あと、甘栗は水飴をかけながら焼くので食べているとかなり手が汚れるのだが、こちらの品は水飴少なめでベタベタした感じが少なく、手があまり汚れなかった。

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こちらにも栗割りの器具が入っていた。「くりわり具」の方だった。

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【A店】

売り場には店名が出ておらず、袋にも店名が書いてなかった。今はこの売り場はもう存在していない。購入したのは28個入りで185g、525円であった。

買う時に試食品を差し出されたが、「いらない」と言うと、それを袋に入れてくれたので1個サービスしてもらってこの分量ということになる。

D01_a__525

栗の大きさは聘珍樓よりは少々小さめ。味の方は特に可も不可も無い感じ。そもそも、甘栗は店による味の差が分かりにくいと思う。買う時期によっても違うだろうし。

そういえば、栗割りの器具はこちらには付いてこなかった。

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【B店】

比較的昔からある店の店頭にある売り場である。購入したのは36個入りで237g、525円であった。

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栗の大きさは少々小さめで上記のA店並。味も悪くなかったが2~3粒ほど質の悪い物が混じっていた。さらに一番気になったのはこの分量は「1000円の袋の分入れてあげるね」と言って袋に入れてくれた後、「こちらもあげる」と6粒ほど手渡しでくれたものを合計した値であることだ。口頭で言う「おまけ」がいかに当てにならないかということが良く分かる。

栗割り器具はこちらにも無し。

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ところで、これまで出した例を見ておかしいと思った人はいなかっただろうか。通常、休日に中華街に行くと、甘栗の売り場には1050円、1575円、2100円の3種類の袋くらいしか店頭で見かけないはずである。でも、平日に525円の袋を出すこともあるし、休日でも要求すれば525円の袋は出てくることがある。1050円の袋では大きすぎると感じて買うのを躊躇していた方も売り場で一度聞いてみるといいだろう。あくまで無いと言い張られたら、別の売り場に行ってみれば良い。

私の場合、こんな感じである。

(例1)
私「500円の袋って無くなったの?」
店「ありますよ~、表に出してないだけです。」
私「(この正直者め)」

(例2)
私「小さいの無いの?」
店「1050円のあるよ。」
私「もっと小さいの無いの?」
店「525円のならある。」
私「(なかなかしぶといな)」

(例3)
私「うーん、もっと小さいの無いのかなぁ」
店「525円のならできるよ。」
私「(これは普通の対応かな)」

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以上、ざっと中華街の甘栗状況を調べてみた。サンプルはそれほど多くはないが、その結果からは以下の条件を満たす売り場で買った方が良いのではないかな、という感触を持った。何項目かは確認が難しいが。

・店名が明らかであること、袋に店名、製造元が印字されていること。
・売り場位置が固定であること。
・数年以上、その場所での実績があること。
・売り子の入れ替わりが激しくないこと。

甘栗の品質については見た目で分かるほどひどい差は無いようだった。味は多少異なるが、買う時期や時間帯によっても違いそうなので売り場による差はなんとも言えない。分量と1粒の大きさについては客観的に測定できるが、結構ばらつきがあることが分かった。

ここまで調べてしまうと、今度は中華街の甘栗というのは世間一般の相場と比べてどうなんだろう、という疑問がわく。次回は世間一般の甘栗についてもちょっと調べた上で、全体のデータをまとめてみようと思う。

(次回に続く)

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コメント

またもやとても興味深い考察とGIF画像。
お疲れさまです。

私は聘珍が最上で、あとはカス位の先入観でしたが、意外や僅差というか。

あの半額とかサービスだとかの掛け声の実態はなんなのでしょうね。

投稿: ふ゛り | 2010年3月28日 (日) 22時18分

「くりわり君で割って食べてしまうところ」、最高です♪
15秒ほど笑いが止まりませんでした。(失礼)


仰るとおり、ここ数ヶ月で栗売り人倍増という感覚はありますね。何か原因があるのでしょうか?
(平日ランチタイムの感覚ですが)


先日、都内の友人と飲んだ時に中華街宴会計画の話になったのですが、2名は「絶対に天津甘栗を買って帰る」と言っておりました。理由は「美味しくて安いから」。
「ホントかな?」と思いましたが、それだけ都内の甘栗は・・・・・・ということでしょうか。
続編を楽しみにしております。

投稿: piyos-K | 2010年3月28日 (日) 23時55分

試食の甘栗ですが・・・

以前は、その皮にカットだけ入れて配ってましたが、最近は完全に剥いたものを・・売り子さんが素手で渡してくれます・・・。
衛生的にどうなんだ?とも思いますが、路上にばら撒かれた、試食甘栗の殻が減った分・・・よいのでしょうか?(苦

投稿: maruto082 | 2010年3月29日 (月) 11時02分

2年くらい前に下のような記事を見て中華街発展会事務局に調査するようメールをしたことがあります、それ以来栗売りには何を言われても無視し続けています。

http://yokohamahiyori.seesaa.net/article/64627563.html

投稿: じゅんぺー | 2010年3月29日 (月) 14時17分

★ぶりさん

甘栗は思い出した頃に時々買った物なので、
味を比べるのはちょっときついかな、と思いました。
きちんと並べて食べてみないと比較は難しそうです。
でも、聘珍樓がダントツというほどでもないかな、とは感じました。

半額とかサービスは見ていて良い感じがしませんね。
実際そう言うところから買ってみるといろいろありそうです。


★piyos-Kさん

アニメーションGIFは初挑戦でしたが、
フリーソフトであっさり作れました。こういうのもおもしろいですね。

近頃の栗売りの人々は、一つの売り場に
数人以上付くようになりましたね。
そして、どこからか来て短期間でどこかに去って
ゆくように見えるのですが、この辺はいろいろと
グレーな領域の話もありそうです。
そのあたりについていろいろ書いてある本も見たことがあります。


★maruto082さん

私も剥いた栗を渡されると口に入れるのに躊躇してしまいます。
やっぱり衛生状態が気になりますよね。


★じゅんぺーさん

「おまけ」は昔から変わらないようですね。
記事にも書きましたが、買う時はどこのお店かはっきりしている
ところが良いと思います。

猛烈に売り込んでくるところはそれなりの何かがあるものと
思っていた方が良いでしょうね。

投稿: 本須 | 2010年3月29日 (月) 22時12分

昨日、中華街で破格の甘栗があったので買いました。中国貿易公司 中華街本店という所でいつも食材を見るのですが、おじさんが甘栗炒ってて試食品(皮割ってないもの)がおいてあります。(そういえば、いつも客引きなどしていません)
値段を見ると500g600円!あれ、これ安いんじゃない??と思い、「これ、600円ですか?」と確かめたところ、「そう。新栗だと2,3日たってもおいしいけどこれは古いから味が落ちます」とマイナスなことを言ってて、でも試食品は普通においしい。安い訳を教えてくれてたのかなぁ。
買ったら、スコップ2杯ぐらいおまけもいれてくれました。大粒の栗でおいしいです。
ここは点心の冷凍ものも安いです。
鴨の燻製350円ぐらい、ちまき6個入り360円など。

投稿: みー | 2013年4月28日 (日) 21時13分

★みーさん

はじめまして。

中国貿易公司の甘栗は何回か買ったことがあります。
ここは他の甘栗店と違ってマイペースで売ってますね。

こちらの栗の質ですが、私は他の店のものとそれほど
大きな差は無いように感じました。
値付けに対して分量がかなり多いので、
他の店よりコストパフォーマンスは良いと思います。

ところで、スコップ2杯のおまけというのはすごいです。
この店は元々、紙袋にあふれるぎりぎりまで栗を入れた
ものを売っているので、元の袋におまけを足す余地は
無かったと記憶しています。
別袋でおまけしてくれたのでしたらかなり太っ腹ですね。

投稿: 本須 | 2013年4月29日 (月) 09時29分

こんにちは。

そうです、はかりでちゃんと500g計って、売る時にビニール袋に入れ、その上にスコップでおまけを適当に入れてくれてました。ホカホカだったので、家で見たら袋が濡れてボロボロになっていましたが。

一緒にいた友達も買えばよかったと後悔しておりました。

はかりの目盛りがこっちに向いているのも好印象です。たいてい、客から見えないところにあるので。。。

ちなみに、腐ってる栗はたまたまか、一個も無かったですnote

投稿: みー | 2013年6月 1日 (土) 01時28分

★みーさん

それは随分太っ腹でしたね。

私もホカホカ栗の入った紙袋をビニール袋に入れっぱなしにして
しばらく歩き回ってしまい、紙袋をボロボロにしてしまったことがあります。
栗が温かいうちは持ち運びに注意が必要だと思いました。

あと、この店で買った栗の中で食べられないような粒は
今のところ私も見つけてません。

投稿: 本須 | 2013年6月 1日 (土) 19時25分

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