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2010年9月 5日 (日)

振り返り杜記別館

2010年8月、杜記別館が新錦江に店名を戻し、また一つの節目を迎えた。

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錦江飯店の頃からの歩みはこちらの記事に書いているが、ここは様々な変遷を経ている非常に興味深いお店である。すでに店名変更から1ヶ月を経て、店名を戻した新錦江と、杜記別館時代の厨房の方が移動した先の杜記では新しいランチの動きもいろいろ見えてきているが、まずは2008年6月頃からの混ぜ麺を初めとしたランチや定食の一時代をまとめておきたい。

なお、主要なランチメニューについてはpiyos-Kさんが「ありがとう杜記別館」シリーズ(その1,その2,その3)として非常に詳しくまとめているので、本記事ではなるべくそちらとダブっていない品をメインに挙げてゆこう。

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まずはこの時代の萌芽が見られる頃から述べてみよう。

2008年3月下旬、杜記別館は改装して1Fにカウンターを設けた。そして、2008年6月、「台湾牛肉麺」と「老北京炸醤麺」が登場。それに伴ってか、刀削麺もこの頃終了している。そして、ここから何かが始まったように思う。

下の写真は「老北京炸醤麺」。多分これがこのお店の太麺で混ぜ麺の源流であろう。

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そして、2008年7月のランチメニュー。今となって思えば、ランチメニューとしてもこの頃から何かが始まりつつあったようだが、実は気付いてなかった。(よって未食)

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ようやく2008年7月下旬になって、こちらのランチメニューが気になり始めた。

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そして食べたものがこちら、「四川風冷やし麺」である。

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2008年9月頃には、おなじみの日本語名付きランチ2列表記がほぼ確立されていた。杜記別館の混ぜ麺代表とも言える「燃麺」もこの頃のメニューで確認できる。この頃から約2年間に渡って、興味深いランチ(+定食)の日々が始まったのであった。

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ここのメニューで記憶に残るのは、混ぜ麺や辛い煮込み物である。燃麺はあちこちでレポートされているので省略して、まずは混ぜ麺から「四川冷麺」を挙げてみたい。この品、毎年内容が変わっていたのだ。

上で出したのが2008年バージョンで、2009年はこんな感じ。麺が細くなり、具から豆が消えてトマトが追加された。2008年バージョンは「老北京炸醤麺」からの派生品のような感じであったが、2009年版はいかにも冷やし麺という風貌に変化している。

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そして2010年版になるとこうなる。2009年版にナッツを砕いた物が乗った感じに。タレの方のピリ辛具合も少し弱くなった気がした。この3年のバージョンの中で一番好みだったのは2008年版だっただろうか。麺が細いと茹ですぎでモソモソになりやすいので、太くてしっかりした歯ごたえの方が私は好みであった。

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あとは「干拌麺(トマト、玉ねぎ、挽肉、ピーマン混ぜる麺)」もちょっとおもしろい品だった。太麺の上にトマト、玉ねぎ、鶏肉、ピーマン、きゅうりで作ったあんかけがかかっているという品である。トマトの酸味がなんかパスタっぽい味わいを醸し出している品だった。メニューと実物の具材がちょっと違っているが、まあこれはその時の仕入れ状況によるものだろう。

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煮込み系では、定番の「水煮牛肉」からの派生で、「水煮魚片」などいろいろな煮込みが登場した。

こちらは「水煮肉片(唐辛子と山椒入り四川風豚肉煮込)」。豚肉ベースの辛い煮込みである。具の中には幅広の春雨なども入っていて、かなり食べでがあった。

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上と非常に似た品で、「麻辣肉片(豚肉の麻辣風炒め)」というのもあった。名前は「炒め」なのだが、どう見ても煮込みの風貌。しかも分量がパワーアップしており、辛さも相応にあったので付属の白飯を大切にしながらなんとかやっつけた。

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あと、それほど辛味が強い物でなかったが、かなりおいしいと思った物で「白菜焼肉丸(白菜と豚肉団子四川風煮込み)」というものがあった。

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味付けはちょっと辛めという程度で、いつもの煮込みのようなパワフルな辛味は無かったのだが、肉団子がとても柔らかく、ご飯に非常に良く合う品であった。

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前菜っぽい品では、「夫妻肺片」や「口水鶏」などがあったが、「松花鶏腿(蒸し鶏とピータンの大蒜ソースかけ)」というのもおもしろかった。

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見た感じでは、「口水鶏」のタレを少し変えたバージョンに見えるのだが、料理の名前にあったピータンが見あたらない。食べ進めてみて驚いたことに、ピータンは鶏肉の中に仕込まれていたのであった。周囲のお店に比べてどちらかというと安めのランチでここまでやるとはまったく予想外であった。

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炒め系の中では「孜然羊肉(羊肉のスーラン炒め)」がなかなか強烈だった。厨房の機嫌が良かったのか、仕入れの関係か、いつもの大きめの皿にどっかりと肉が盛られて出てきたのであった。

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この手のやつは見かけがすごそうでも、きっと底の方にもやしかなんかが隠れているのだろうと高をくくっていたのだが、掘っても掘っても掘っても肉&たまねぎ&香菜が途切れることがなかった。味付けは甘みが少し入ったピリ辛風で、非常にご飯が進む味なのだが、ご飯のお代わりを我慢するのが大変だった。この時は肉だけでお腹パンパンになってしまった。

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あとは「干扁笋尖(竹の子の四川風炒め)」というのもおいしかった。「干扁」とあるので竹の子を少し乾いた感じに炒めた品なのだが、豚肉と一緒にピリ辛に炒められたこの品も白飯キラーであった。この店の品は白飯が足りなくなりやすいので配分をよく考えながら食べないとほんとに危ない。

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豆腐物もいろいろあった。超定番の「麻婆豆腐」に始まり「紹子豆腐」「麻辣鶏豆腐」などもおいしかった。

こちらは「豆花牛肉(絹豆腐と牛肉の四川風煮込み)」。どちらかというと煮込み系メニューの方に入れた方がいいかもしれない。トロトロの絹豆腐入りの水煮牛肉のような品だった。これも分量が半端ではなかった。

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麻辣特製豆干(特製四川風麻辣豆干)」というのもあった。これは自家製の干し豆腐をスライスしてピリ辛に和えた品なのだが、煮込み系を凌駕するような鮮烈な辛さを持った品だった。冷菜なので最初は甘く見てパクパク食べていたのだが、後からガンガン汗が出てくるし、白飯で緩和しようとしたら白飯の熱でさらにヒートアップという、なかなかに強烈な品であった。

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たまにはちょっと首をかしげるような品もあった。「蝦仁紹子豆腐(エビ、豆腐と挽肉の四川風あんかけ)」というのがあったのだが、「紹子豆腐」に茹でた蝦をトッピングしただけのような品であった。これについてはなんかちょっと杜記別館らしくない品だな、と思いながら食べた。

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メニューのなかには極たまにチャレンジメニュー的な品も混じっていておもしろかった。

まずは「特製高菜魚麺(魚のコムギコ混ぜる麺特製の高菜麺)」。魚の白身を混ぜ込んだ麺である。具材は牛肉と高菜であったが、味付けはかなり辛い方だった。

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麺は太くてボコボコした感じ。切ったり伸ばしたりするのではなく、穴から押し出すかなんかして作ったのではないかと思われる。歯ごたえはプリプリしているのだが、簡単にちぎれるという不思議な食感の麺であった。ちなみにこれと似た品は「麒麟閣」のレギュラーメニューにも入っている。ただし、麺の製法はこの品とはちょっと違うようだ。

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他に変わり種というと、「水果里背(豚肉揚げをフルーツあんかけ)」というすごいものがあった。揚げた豚肉の上にパイナップル、マスカット、梨、桃、で作った甘酸っぱいあんかけがかかっているというこの店の激辛ランチの対極をゆくような品。豚肉は卵液を絡ませた衣で揚げていたようで、衣はふわっとしていて通常の排骨とはまた違っていた。豚肉の下味についていた塩気と甘酸っぱいタレがもう何とも言えない不思議な味になっていて、何度も食べたいとは全然思わないが、話のネタに一度食べておくのもいいか、と思えるようなおもしろい品だった。

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あとは比較的普通の品もいくつか食べた。「和牛会飯」「酢豚」「蝦仁炒蛋」「干焼蝦仁」「油淋鶏」など。これらはたまに辛くない物が食べたくなった時に丁度良い避難先になっており、味も他の店並の普通の味付けであった。

そういえば、普通に思えた品でちょっと違った品もあった。「鶏肉[口加]哩飯(四川風鶏肉カレーライス)」である。どの辺が四川風なのだろうと思ったら、唐辛子のざく切りがどっさりとルーの中に仕込まれていたのだった。おかげで唐辛子が無い部分はたいしたことの無いカレーなのに、唐辛子の部分だけがめっぽう辛いという、なかなかヘビーな代物であった。

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以上、思い返すと楽しい思い出がいっぱいである。これだけバリエーション豊かで、量も多く、値段も安いランチを2年近く楽しめたことに感謝せねばなるまい。これからも新錦江・杜記共にバリエーション豊かで楽しいランチが出てくれるとありがたいな、と思うのであった。できれば競い合ってよりおもしろいものが出てくるとさらに嬉しい。

で、最近の状況なのだが、杜記の方は杜記別館を引き継いだ感じのランチメニューが出ており、土日もしっかりやっていて嬉しい限りだ。値段も変わらずというか、土日は逆に安くなっていて喜びも倍増である。種類は3品程度と少なめになっているが相変わらずの味を楽しめそうだ。ただ、杜記別館で出していた時のような複雑な煮込み系の品は杜記では難しいのではないかと思っている。というのは、杜記の厨房はとんでもなく狭いのだ。あの中で複雑なことをするのはかなり厳しいのではなかろうか。とりあえず、あまり過大な期待はしないで、楽しみたいと思っている。

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一方で、新錦江の方だが、こちらも改名当初はランチメニューが少なめだったものの、近頃では品数もかなり充実してきた。以前と中身は違うようだが「燃麺」も顔を出している。こちらは厨房も広くていろいろ試す余地があるだろうから、この先どのようなものが出てくることになるのか楽しみである。

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あと、新錦江の方は夕方になると何かあるようなのだが、ちょっと店頭に書いてある言葉の意味が分からなかったりする。一品料理に小皿かなんかが付くのだろうか。この辺もそのうち実体験で確かめたいところだ。

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コメント

堂々と書かれてるだけに・・
5時以降 入店したら何を請求されても 逆らえませんね・・。

暑いときに熱い料理を食べて熱くなった体に 一陣の涼風を呼ぶためかもしれませんね・・・。

投稿: maruto082 | 2010年9月 6日 (月) 16時18分

本須さんがいくらで召し上がっていたかは別として (笑)
(でも、580円⇒680円位のハンデですかね)

意欲的な創作メニューの数々・・・・・・
辛さ、味、量、価格・・・・・・
改めて思いますが、レベル高かったですねえ~♪

投稿: piyos-K | 2010年9月 6日 (月) 18時44分

★maruto082さん

ひょっとしたら、店内自慢の超辛口トッピングが山盛りだったり。
ほんとに何が起きるのでしょう。どなたかに人柱をお願いしたいところです。


★piyos-Kさん

平均単価をちょっと計算してみましたが、780円前後でした。
880円の煮込み系とか980円の夜定食もたまに食べていたせいですね。

ほんとにメニューのバリエーション、辛さ、味、価格、
どれもがすばらしいお店でした。
伝説になってしまったりしないように、後のお店で
この方針は引き継いで欲しいですよね。

投稿: 本須 | 2010年9月 6日 (月) 23時26分

こうやって振り返ると改めて美味しくて特徴のあるお店だったのが判り、今更ながら閉店が惜しまれます。
いつも大体同じのばっかり食べていたので、今思えば残念です。

投稿: たけ | 2010年9月 7日 (火) 21時38分

★たけさん

私の場合は中華街に行くのは週末メインなので、
平日の人に比べると回数が稼げません。
なので、よほど気に入った品でもない限り、
同じ料理をを何度も食べることは無いです。

それでもメニューを振り返ってみると、まだまだ食べていない品が
多くてほんとに残念に思っています。

投稿: 本須 | 2010年9月 8日 (水) 00時00分

ホントに、全てにおいて強烈なお店でしたね~(≧∇≦)

実はココの閉店は、今回の”旅”をしようと思ったきっかけでもありました。

食べたいモノは浮かぶのですが、食べたい店が浮かばなくなってしまい、
自分の中のレパートリーを増やさねばっ!と思い、今に至ります。

きっと良いきっかけだったのでは…と思ってますヽ(´▽`)/


投稿: ぶるねこ | 2010年9月 8日 (水) 15時53分

杜記(別)さんの何が良かったかというと、彼の地をそのまま持ってきた雰囲気で、尚且つ辛いだけでなく美味しいに尽きるのでは無いでしょうか。

お店の顛末やらメニューやら、どうしてだろうと考えた事もありますが、こちらはあまり考えずにあれこれしているような気がします(笑。

投稿: ふ゛り | 2010年9月 8日 (水) 23時46分

★ぶるねこさん

ほんとに良いお店でした。

でも何でも永久に続くものはありませんから、見聞を広めて
おいていつでもバックアップ体制が取れるようにしておくのは
良いことかと。

いろんなお店の候補が思い浮かぶようになっていると、GWの
ただ中でも難民化せずになんとかしのげるようになったりします。


★ぶりさん

私は彼の地に行ったことがないので、そちらの店の雰囲気に近いか
どうかは知りませんが、変に客におもねったり馴れ合うことなく、
淡々と他の店が出せない物を出し続けた点が好きでした。

後期の杜記別館で1点不満があるとすれば、初期の杜記別館で
出していた豆腐花のデザートがランチから無くなったことですね。
あれがランチに入っていたらもう100円高くても私はOKでした。

投稿: 本須 | 2010年9月 9日 (木) 00時24分

中華街のどこに行こうかと探していてこのブログと出会いました。写真きれいでどれも美味しそう!良いお店がなくならない前に行かなくちゃですね。過去ログ見ていて2009年12月のブログに菅原先生が・・・。書き込みのカニカマさんの件は事実で暴力教師のうわさが。書いた本もウソだったのですね。色々とウソがあるらしい。それなのに教授?。本須さんの記事は確実ですね。代わりに教授になってほしい。さて、このブログを参考にさせて頂きながら中華街に行こ行こうと思います。これからも楽しみにしています。元町チャーミング開催中は中華街も混むかな?

投稿: げっぺい | 2010年9月12日 (日) 21時52分

★げっぺいさん

チャーミングセール中の中華街はかなりの混雑に
なると思いますので、よく考えてお店を選んだ方が
良いかと思います。
宴会だったら予約を入れた方が確実でしょう。

菅原氏の件は新聞社に提供したデータが怪しいという
以上のことは私には分かりません。
著書や事件の真偽については調べる時間も気力も無いので
私からは言及できません。

投稿: 本須 | 2010年9月13日 (月) 00時06分

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