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2014年6月 1日 (日)

【番外編】トンネルの向こうの冷やし中華/冷やし麺

最近みるみると気温が高くなってきて、横浜中華街でも冷やし麺を提供し始めるお店が増えてきた。去年中華街に出て来る冷やし麺について少し調べてみたのだが、横浜中華街のお店のうち少なくとも125店舗が冷やし麺を提供し、少なくとも199品の冷やし麺が出ていた。

厳密な調査をやったわけではないので見落としも多いと思われ、多分実際はもっとたくさんの品が出回っていたのではないかと思う。これだけの品数を1シーズンで食べるのはまず不可能である。なので、毎シーズン大いに選択に悩むことになる。きっと今年も様々なお店が様々な冷やし麺メニューを次々に出してきて、嬉しくも悩ましい季節を堪能する羽目に陥ることだろう。

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さて、本来なら昨年出会った横浜中華街の冷やし麺でも今のうちにまとめたいところなのだが、数が多くてちょっとまとめきれる気がしない。なので、今回は番外編として中華街からトンネルを渡った向こう側、麦田・本牧方面の冷やし中華/冷やし麺事情をまとめてみたいと思う。

なお、これから挙げてゆく実食情報は2013年頃の物がメインであるので、記載している価格は消費税率5%時点のものであることをご承知置きいただきたい。多分今シーズン同じような品を食べようとすると増税分だけ値が上がっている可能性がある。

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(1)長白山

中華街方面からトンネルを通ってそのまままっすぐ進んで行くと、一番最初に見つかるのが「長白山」である。確かお店の方は台湾系だったかと思うが、お店の料理自体はそれほど台湾系という感じではない。

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こちらで食べた冷やし麺は『冷やし中華』、1050円。きのこたっぷりの珍しいタイプである。テーブルに持ってくる時点ではタレは別で胡麻ベース。お店の方から「辛いの大丈夫?」と聞かれて大丈夫と答えると、テーブル上のラー油を取ってタレに入れ、かき混ぜてから麺の上にかけてくれた。

具は、クコの実、白きくらげ、くらげ、しめじ、きくらげ?、きゅうり、白しめじ、玉子、榎茸、しいたけ。しいたけときくらげは砂糖と醤油で煮込まれた感じで甘い。クコの実も甘い味付け。なかなかおもしろい品であった。

01b___1050

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(2)水蓮

中華街方面からトンネルを抜け、信号を渡らずに右折、そのまましばらく歩くと「水蓮に到着する。こちらは基本的に夕方だけやっている小さなお店である。

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こちらで食べたのは『ダッタン冷麺』、900円。元々こちらの店は湯麺でもダッタン粉を使った品を出しているが、冷麺でもダッタン粉を使った緑色の麺を使っている。香りと歯ごたえの良い麺である。タレは薄めの胡麻ダレで薄すぎないギリギリという感じの味付けだ。

具は、紫玉葱、水菜、レタス、蒸し鶏、ミニトマト。サラダっぽい感じの冷やし麺であった。こちらの店は基本的にカウンター向こうのご主人が一人で作っているので、料理が出てくるのに少し時間がかかる。気長に待ちたい。

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(3)華門

本牧通りをずっと進んで、山手駅入口から大和町方面に右折してしばらく進むと「華門」に到着する。街中華っぽいかなり小さなお店である。カウンターのみのお店だったと思う。

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こちら食べたのは『冷やし中華』、800円。醤油ベースのタレでゴマ油を使っているのが特徴的。具は、ハム、キュウリ、錦糸卵、玉葱、海苔。上から胡麻が振ってある。玉葱は茹でたか炒めたものと思われ、冷やし麺に玉葱をこのようにあしらった品は他では見た覚えがない。味付けには特筆すべき点は無し。少しゴマ油がくどかった気もする。

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(4)三渓楼

山手駅入口から曲がらずにそのまままっすぐ行くと、山手駅から下ってくる道に当たる。その角に「三渓楼」がある。夕方はかなり早めに閉まってしまうようで、昼間メインのお店のようだ。こちらのお店の生姜焼き定食なんかは容器がちょっとおもしろかったりする。

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こちらで食べたのは『冷やし中華』、850円。タレは醤油系で酸味強め。具は叉焼、もやし、錦糸卵、なるとの千切り、きゅうり。錦糸卵は市販品っぽい。きゅうりはほとんどつながっていた。上からはすりごまがかかっている。食後感としては少々割高に思えた。

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(5)李園

そのままずっと本牧通りを進んで行くと通りの左手に「李園」が見えてくる。このあたりの中華料理店では「奇珍」と並んでの有名店である。日によっては観光客が店頭に並んでいるのを見かける。

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こちらで食べたのは『しいたけ冷やし』、900円。麺とスープは冷たいが、あんかけは温かい。スープは酸味有りで甘さ無し。あんかけはピリ辛。しいたけがゴロゴロ入っていておいしい。中華街の中では「北京」あたりで餡があたたかい冷やしを出しているが、どちらの方が先だったのかは不明。

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なお、「李園」では他にも『チャーシュー冷やし』『葱チャーシュー和え冷やし』『鶏と葱和え冷やし』『ザーサイ冷やし』『排骨冷やし麺』と全6種の冷やし麺を出している。この辺をコンプリートしてみるのも楽しいかもしれない。

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(6)華香亭本店

本牧通りの「李園」とは反対側から1本中に入るとそこには「華香亭本店」がある。かなり趣のあるたたずまいを見せるお店である。歴史も相当古く、大正元年開業とのこと。その辺の歴史についてはこちらが詳しい。昔はこのあたりの広東系厨師の拠点となったお店だったようで、中区付近で見られる『バンメン』という品の源がこのお店なのではないかと私は見ている。

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さて、こちらで食べたのは「冷やしそば」、950円。たれは醤油系っぽくない澄んだタイプで酸味多め。さっぱりとしている。

具は、蒸し鶏、卵、ミニトマト、チャーシュー、千切りきゅうり、水菜。チャーシューは中華の赤い物ではなく煮豚系に近い。卵はあまり薄くなくふっくらとしている。全体的にあまり見ないタイプであった。

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(7)喜楽

「李園」から本牧通りをさらにずっと進んで行くと、右側に「喜楽」が見えてくる。こちらもかなり古いお店なんじゃないかと思う。店内は狭く、時折入ってくるお客さんはほとんどご近所さん、しかもご老体が多い印象だ。

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こちらで食べたのは『冷やし麺』、850円。元々こちらのお店は通年で様々な冷やし麺を出しているが、これは夏季限定の品である。

タレは醤油系でゴマ油が少し強め。具は、叉焼、錦糸卵、メンマ、千切りきゅうり、もやし。街中華の冷やし中華に割と近い感じであった。

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なお、通年出している冷やし麺は『冷たいラーメン』『冷しサンマーメン』『冷しウマニソバ』『冷しニクソバ』『冷しエビソバ』『冷しネギソバ』とかなりある。こちらもコンプリートするのはなかなか大変そうだ。

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(8)興源

さらに本牧通りを進むと左側に「興源」が見えてくる。こちらは見た感じ大陸系のお店である。お店の人は中国人のようだ。

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こちらで食べたのは『冷やし中華』、950円。たれは醤油系。酸味も甘味もほぼ無し。具は、錦糸卵、叉焼、もやし、蒸し鶏、千切りきゅうり、カニカマ(だったと思う)。あと。クラゲと紅生姜が上に乗っている。割と中華街スタンダードっぽい感じの品であった。

08b____950

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(9)清心

さらに本牧通りをずっと進んで行くと「清心」が左側に見えてくる。こちらは昼間は営業しておらず、夜営業だけのお店である。店内はかなり狭く、割と人気店なので17時の開店からわずかの時間ですぐ埋まってしまうようだ。

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こちらで食べたのは「冷やし中華」、1050円。本日最初の注文だったようで、注文を受けてからご主人がカウンターの向こうで薄焼き卵を焼き始めた。それと同時に麺の用意も進めている。焼き上がったものの1/4を取り分け、千切りにして麺に乗せる。他の具は、きゅうり、蒸し鶏、叉焼、くらげ、海老(4つ)ミニトマトとなかなか豪勢。具を全部乗せてから作っておいたタレをたっぷりかけてできあがり。タレは甘味あり、酸味無し。おいしかった。

09b___1050

ところで、こちらは他にも『冷し担担麺』も出すようだ。こちらもいつか食べてみたいものである。

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(10)幸楽

本牧通りからずっと陸地側に入りこんだところにも「幸楽」という中華屋さんが存在する。本牧通りから入るのは少し面倒なのだが、「華香亭」の前からバス通りに沿って道なりに10分少々歩くと割と楽に「幸楽」に到着できる。こちらは老夫婦二人で営業している小さなお店である。基本的には街中華なのだが、壁メニューで混ぜ麺なんかも出していたりして、あなどれないお店だ。

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こちらで食べたのは『冷やし中華』、800円。具は蒸し鶏、わかめ、錦糸卵、千切りきゅうり、千切りなると。上に紅生姜が乗り、胡麻が振ってある。タレは醤油系なのだが、なんか薄いとんこつっぽい味がしたような気がする。甘味は無し。ちょっと不思議な味付けの品であった。

10b___800

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(11)来来軒

本牧通りの「清心」からそのまま進んで警察署前の交差点を左折、海側に進んで行くと右手にヨーカ堂が見える。そのままヨーカ堂を過ぎたあたりで細い道を左手に入ると、左側に「来来軒」が見える。これぞ街中華というような風貌のお店である。

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こちらで食べたのは『冷しそば』、650円。随分と安い。たれは醤油系で甘味無し。具はチャーシュー、千切りきゅうり、錦糸卵、千切りなると、上に紅生姜が乗っており、さらに千切り海苔が散らしてある。安いのに量は結構多い。麺は少し茹で過ぎでかなり柔らかだった点が気になった。でも、この値段だったら十分ありかな、という気もする。

11b____650

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(12)栄濱楼

さて、冷やし麺の旅はまだ続く。「来来軒」からヨーカ堂前の通りに戻り、今度は目の前の信号から通りを横断してヨーカ堂の脇を進む、ヨーカ堂脇にある歩道橋は無視してずっと進んで行くと、次の歩道橋が現れるのでそこを登って、海側に進む。そのまままっすぐ海側の階段を下りてさらに直進すると、そこにあるのは本牧中華最果ての地である「横浜マリンハイツ」である。ここには2軒の中華料理店があるが、最初に目にするのが「栄濱楼」である。こちらは大変に興味深い料理をいくつかグランドメニューに持っている。

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こちらで食べたのは「冷やしラーメン」、780円。見た目は普通に冷した汁麺。スープは醤油系で塩味が結構きつい。具は煮豚2枚、かまぼこ、ゆでたもやしと青菜、錦糸卵。胡麻が一面に振ってある。麺は細めの縮れ麺で歯ごたえが良い。量は多め。おそらく分量と塩味の加減は、こちらのメイン客層に合わせてこうなったのだろうと思われる。こちらは場所が場所だけに、肉体を酷使する港湾関係のお客さんが多いようである。

12b___780

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(13)百鶴楼

「栄濱楼」からさらに「横浜マリンハイツ」前を進んで行くと「百鶴楼」の看板が見えてくる。そこのガラス戸を中に入る。するとお店の入口が現れる。

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上の写真の『入口』と貼り紙のある戸を左側に開けるとようやくお店の中に入ることができる。入ってすぐがカウンター席で、右側はテーブル席のあるホールとなっており、台湾系の人当たりの良い家族が迎えてくれる。こちらは定食系の(特に白飯の)盛りの良さに定評がある。

さて、こちらで食べたのは『冷し担担麺』、800円。テーブル上のメニューには1年中表示されているようなので、通年提供なのかもしれない。見かけは台湾系のタンタン麺。中華街の「青葉」あたりで見ることができるタンタン麺に近い風貌だ。麺はガラスープ系で胡麻も辛味も無し。具はもやし、チンゲン菜、ピリ辛に炒めた肉餡。麺は茹で置きっぽく、ぼそぼそだったのはちょっと残念。

13b___800

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と、トンネルの向こうの冷やし麺をいろいろ食べ歩いてみたが、こちらも中華街に負けず劣らずの個性的な冷やし麺がてんこ盛りで大変楽しい旅であった。たまには中華街からトンネルを抜けた向こうを冒険してみるのもおもしろいんじゃないかと思う。

ところで、これだけ食べてもまだいろいろと抜けがあることが分かっている。現時点でまだ食べることができていないのは以下の通り。

・李香園。冷し中華を出していたが未食。
・葉牡丹。冷し中華を出していたが未食。
・清心。冷やし担担麺が未食。
・明華。冷やし中華があったはず。
・一勝亭。冷やし中華があるが未食。

あと、本牧のイオン方面から向こうの地についてはまだまだ手つかずである。さすがに遠すぎて歩いて行くにはよほど気が向かないと難しい地域なので、こちらまでは多分手が出せないと思っている。

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【おまけ1】

大和町の「華門」近くに普通のそば屋さん「冨士見」があるのだが、こちらでも冷やし中華を出していたようなので、つい食べに行ってしまった。

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出てきた品は非常に個性的なものであった。具はチャーシュー、きゅうりの千切り、カニカマ、寿司屋で見かけるような卵焼き、甘く煮含めた油揚げの細切り、細切りのかまぼこ。実にそば屋らしい品である。タレは醤油系だがそばつゆっぽい味。実におもしろい冷やし麺だった。

X1b___900

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【おまけ2】

本牧の「ゴールデンカップ」でも冷やし麺を出していた。残念だが未食。さすがにここはハードルが高い。今シーズンも出して来るかどうかは不明。

X2b___

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【おまけ3】

伊勢佐木町方面にもおもしろそうな品を発見しているが未食。『おいしい珈琲とホットドッグのお店です』と書いてある喫茶店の「アトム」で『蒸し鶏の冷し中華そば』の表示が出ていた。いったいどのような品かかなり気になっている。

X3___

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以上。

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コメント

中華街の経営者が結構住んでいる本牧。
60年代の遊び人たちが通ったのが中華街と本牧。
そして、どちらも怖い店が多かったと聞きます。
中華街と本牧の関係を調べてみたくなってきました。

三溪楼は本牧にあった店だそうですね。戦前にそこから暖簾分けしたのが今の店だそうです。
原三溪が好きだったというソバは小麦粉で作っていたと言います。
なんか、この辺も気になりますね。

「北京」の餡があたたかい冷やしって、冷やし北京麺ですかね。
それだとすると、お客さんの要望から生まれたと言っていました。
早く食べ終わりたいのがその理由だったそうです。

「喜楽」の冷しサンマーメン、冷しウマニソバ、冷しニクソバ、冷しエビソバなども、冷たい麺+暖かいアンですよね。これも熱いサンマーメンなんかと違って、一気に食べてしまえます。

「栄濱楼」の咖哩辨麺というのが気になっていますが、ちょっと遠すぎてなかなか行けませんね。

投稿: 酔華 | 2014年6月 7日 (土) 12時09分

★酔華さん

山手&本牧方面の中華は、
あれはあれで一つの世界を作っていておもしろいですね。
あまり観光客向けでないので、古い物がそのまま残っていて
いろいろと興味深い品が見つかります。


「栄濱楼」は確かに遠かったです。
中華街あたりから歩くと40~60分という所でしょうか。
海側を歩けばもうちょっと近いかもしれませんが。

で、ここの『カレーソバ』ですが、一度食べてみることをお勧めします。
例の『バンメン』に関する知見が少し増えるかと思います。

また、ここの『バンメン』の餡にはモツ類が入っていますが、
都内の古い広東系店舗でモツ類入りの餡がかかった「辨麺」を
見かけたことがあります。
『バンメン』の旅はなかなか一筋縄ではいきません。

というわけで、酔華さんの『バンメン』記事の続きを楽しみにしてますよ。
がんばってください。

投稿: 本須 | 2014年6月 7日 (土) 16時04分

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