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2014年12月31日 (水)

2014年を終えるにあたり

2014年ももうすぐ終わり。例によってこの1年を振り返ってみる。

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下のグラフは、横浜中華街における中華料理を出すレストランとして私が把握しているお店の廃業・開業状況についてまとめたものである。2014年はここ数年落ち着きつつあった廃業・開業数が一転して激増するという結果となった。廃業・開業数共に2005年以来2番目の水準である。

2014_2

2014年は4月に消費税が5%から8%に増税となり、その影響がどう出るか注視していたのだが、街を歩いた感じでは、街の賑わいという観点からはそれほど影響を受けなかったように見えた。ただ、その賑わいの多くは客単価が極端に少ない『歩き食べ』の客によってもたらされたように見える。また、客の選択肢も2極化しているようにも見えた。一方が安い物を重視する『歩き食べ』や『食べ放題』。もう一方は店を厳選して少し贅沢をするタイプ。従って、どちらの選択肢にもひっかかりにくい『悪くは無いけど安くもないよね』的なお店は厳しかったのではないかと思われる。

今年閉店した店舗は、「醉樓本店」「揚州飯店本店」「均昌閣」「廣新楼」「珍味厨房」「茘香尊酒家」「口福」「大中華」「三国志新館」「富貴楼」「壹路發」「王鼎記」「金龍飯店大通り店」「金福楼」「錦臨門」「華星別館」「江南」「横浜大世界(中華味市場、東風)」の18店舗でカウントした。ただ、「揚州飯店本店」は別店舗を「本店」に替えて店名を継承している。「華星別館」ももしかすると再復活があるかもしれない。また、「山東新館」が移転して「山東1号館」になった件については中身が変わったわけでは無いようなので閉店にカウントしていない。「横浜大世界」については中華料理を供する店が内部に無くなったため閉店にカウントしているが、依然おみやげ&イベント系のお店として通常通り営業が続いている。「愛香楼」もカウントしていないが、11月になって居酒屋に業態変更しているものの、料理の主力は中華のようなので判断を保留とした。

今年開店した店舗は、「福盛楼」「京華樓市場通り店」「萬金楼」「金福隆(1文字目は正しくは金の字が3つ)」「龍城飯店本館」「中華街大飯店」「桂宮」「華星別館」「興口福」「北京ダック専門店」「景徳鎮酒家」「許厨房」「王府井レストラン」「龍江飯店大通店」「景珍樓新館」「鵬天閣酒家」「裕福楼」「工夫厨房」「華錦飯店」の19店舗でカウントした。うち、既存店舗の延長ではない店舗と思われるのが「金福隆」「興口福」「許厨房」「工夫厨房」「華錦飯店」の5店舗くらい。相変わらず既存店舗系の出店が多い。

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「許厨房」は元々香港路に店を構えていたのだが、2008年の4月に閉店したお店で、実に6年半ぶりに中華街に復活という珍しいケースである。前店舗の時に好評だった魚のランチは新店でも健在のようだ。

年末が近くなって急に「工夫厨房(オープン時は功夫厨房)」、「華錦飯店」というおもしろそうなお店が出てきた。「工夫厨房」は功夫道場の師父が手料理を振る舞ってくれるという極めて珍しいタイプのお店である。料理は台湾&薬膳系で優しい味わいの品が多そうだ。道場の真ん中に客席があり、時間帯によってはその周囲で弟子達が修業に励むというなんとも言い難い環境で食事ができる。なにぶん師父が一人で調理しているようなので、多人数で押しかけると店が回らなくなるだろうから、少人数で様子を見ながらパラパラと入っていきたいお店である。

「華錦飯店」は店の隣の魚屋が経営元であり、その立ち位置を生かして鮮魚系のメニューを充実させる方向で進んでいるようだ。ランチメニューにもその片鱗が現れており、今後が楽しみなお店である。

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ところで話がちょっと脱線するが、良さそうなお店の情報がネットに現れると、ネット情報を引っかけた勘違いグルメちゃんがお店にやってきて、この店のことは良く知っているぞというような態度で店員に接し、店員に向かって数百円のランチ料理についてアレコレ批評してみせたり、ウンチク(しかも間違っているもの)を語るような痛い場面が生じることがあるようだ。

先日も、『某店で「このランチに使われているのは精製塩だから~(略)~もっとミネラルの入った**の塩の方が~(略)」と店員に対して語り出す輩がいて、近所で聞いていてとても恥ずかしかったよ』とかいう話を耳にした。基本的に精製塩と自然塩については、そのまま舐めたりするならともかく料理に使っちゃったら判別することは極めて困難なので、ランチ料理に対してそんなことを言う人がいたら見栄張り・知ったかぶりの類だと思った方が良い。そんな類の人物に新店の人が振り回されないことを祈るばかりである。

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さて、話を元に戻そう。

一時期かなりひどかった栗売りだが、去年に引き続き一段落しつつあるという感がある。一頃ほどの強引な売り込みは見かけなくなったが、相変わらず「半額」とか「おまけ」とか乱発しているようだ。こういうのはまあ芸風だと思って、まともに取り合わないのが一番である。通常、目も合わせずにスルーすればそれ以上は迫ってこない。

食べ放題についても今年に入って潮目が変わっている感がある。6月頃の記事(こちら)でも触れたが、歩道につき出した看板類の整理と同時期に食べ放題の客引きがごっそりと消え去った。その後「珍味厨房」と「茘香尊酒家」が閉店、「永福楼」が食べ放題をやめた。「錦臨門」も食べ放題部門を「中華街大飯店」に集約して「景徳鎮酒家」に変わった。このように、食べ放題関連店舗については、そろそろ流れが変わりつつあるように思える。

なお、「金龍飯店大通り店」が「龍江飯店大通店」になったのは火事が原因のようなので、これらの再編とはまた別の話のようだ。

「歩き食べ」についてはこの1年悪化する一方である。新店である「王府井レストラン」と「鵬天閣酒家」はどちらも1Fが歩き食べ用店舗、2Fがレストランという造りだが、1Fの行列及び周辺店舗前における立ち食いがかなりひどい。特に「王府井レストラン」の場合、近所の交番前まで行列が並び、交番のすぐ脇で立ち食い・座り食いが横行、目を被わんばかりの惨状である。まあこれも行き着くところまで行けばまた何かころっと潮目が変わると思うのだが。

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グループ店舗内の再編という例もいくつかあった。

揚州飯店グループは「揚州飯店本店」が閉店し、無印の「揚州飯店」が「揚州飯店本店」に名前を変えた。そして、昨年から休業していた「揚州茶楼」が元の「揚州飯店本店」が閉店した直後に復活、という中華街店舗のリストを作っている身としてはいささかめんどくさい再編が行われた。なお、ここのグループ店舗には「揚州麺房」もあるが、こちらは最近営業時間を少し短くしているようだ。

山東グループも結構面倒だった。元々中華街大通りの脇道に「山東」が、香港路に「山東新館」があったが、昨年「山東」が廣東道の方に移転、元の「山東」跡はいったん更地にして建物を建て直した。そして「山東新館」が閉店してそこに移転、名前を変えて「山東1号館」となった。廣東道の「山東」の方は今度は「山東2号館」となった。

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今年は事故事案も2件ほどあった。

3/30に「興昌」の外壁が落下、けが人が出た。外壁が老朽化していたというのに加えて、当日強風だったのが要因だったと思われる。中華街内にはまだまだ古い建物が残っているので歩く際には少し気をつけたいところだ。

9/21には「双喜餅家」と「金龍飯店大通り店」の近傍で火事があったようだ。その後、両店舗は休業。結局、「金龍飯店大通り店」は系列店舗の「龍江飯店大通店」に店名を変えて11月中旬に復帰。しかし、「双喜餅家」の方は未だに閉店中である。ここの『生パイナップルケーキ』はなかなかおいしかったし、他の菓子類もなかなかの出来だったので復帰が望まれる。

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とまあ、2014年の中華街もいろいろなことがあった。料理店については11月頃まではちょっとマンネリかなと思っていたのだが、急におもしろそうなお店が現れて中華街もまんざら捨てたもんじゃないと思いつつある。中華街は何かが流行り始めるとあっという間にあちこちで真似し始めるクセがあるのだが、それが飽和してくると思ってもいない方向からまた別の物が顔を出すという良い面も持っている。来年はそういう良い面がもっと花開いて欲しいと思う。

私の方はというと、2014年は何かとサボリがちな年であった。公私共に様々なイベントがあって、食べ歩く時間は極力確保しているものの、腰を据えて情報を整理する時間がなかなか取れなくなってきている。多分来年もサボリがちになるとは思うが、それなりのペースで中華街の観察を続けてゆくつもりである。来年もおいしいものをいろいろ食べることができますように。

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