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2015年7月20日 (月)

牌楼修繕中&お金の話

中華街で最も典型的な写真というと、やはり善隣門の写真ではないだろうか。中華街大通りの入口に位置するこの門は中華街の主要なシンボルの中で最も有名なものであろう。この門の前で記念写真を撮る人は非常によく見かけるし、これから夏休み等で中華街を訪れる観光客もそれを念頭に訪れる人が多いのではないのかと思う。

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だが、残念なことに善隣門は現在修繕工事中である。工事は10月まで。夏休み中には完了しそうにない。

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さて、中華街には10基の牌楼があるのだが、これらについても昨年頃から順次修繕が行われている。一部はすでに修繕が完了し、一部は現在工事中、さらに一部はこれから修繕に入ると思われる。

というわけで、今回は現時点の牌楼の状況をまとめておきたい。あと、ついでに修繕費用についてもちょっと気になっていろいろ調べてみたので書き留めておこう。


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【牌楼の工事状況】

善隣門については先ほど述べたので、次は東西南北を固める四方の門から。

まずは西門(延平門)。こちらはすでに3月までに大体の工事が終わっており、6月には完全に工事が完了している。JR石川町方面から来るお客さんはこちらで写真を撮るのが良いだろう。両側が学校でお店の看板等が画面に入らないのでちょっと物足りないかもしれないが。

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東門(朝陽門)はみなとみらい線の元町中華街駅方面から来るお客さんが最初に見かけるであろう門である。こちらは現時点では工事中だが、幸いなことに7月中に工事が完了する見込みだ。8月に入ってからなら修繕後の姿を写真に撮ることができるだろう。

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東門に限らず工事中の牌楼で注意したいのは、工事中に足場が組まれている門下の通路は結構狭くなっていることである。日傘を差して通路に入ってくる人がいるとそれだけで埋まってしまうほど細いところがある。適度に譲り合って行き来するようにしたい。

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北門(玄武門)は横浜スタジアム方面から来るお客さんが最初に見かけるであろう門である。こちらの方も現在工事中だが、東門と同様7月中に工事が完成する見込みである。

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南門(朱雀門)は元町商店街方面から来るお客さんが最初に見かけるであろう門である。こちらは2013年の5月には修繕が終わっているため、工事の心配はいらない。

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お次は関帝廟通りと市場通りそれぞれの両端にある牌楼である。

地久門は関帝廟通りの長安道側に位置する門である。こちらは6月には修繕を終えている。

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天長門は関帝廟通りの地久門とは反対側、南門シルクロード側に位置する門である。こちらはまだ修繕が始まっていない。

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市場通り門(北)は市場通りの中華街大通り側に位置する。中華街大停車場で車を降りて北京小路から中華街大通り方面に入ってくるお客さんが最初に目にする門であるが、こちらは現在工事中。工事完了は9月を予定。

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市場通り門(南)は市場通りの関帝廟通り側に位置する。この門を最初に目にするというお客さんはそれほどいないと思う。こちらはまだ修繕前。そろそろ修繕が始まるのではないかと思われる。

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それにしても、市場通りの2つの門については固有名詞をつけていないようなのだが、なぜなんだろう?

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最後にJR石川町駅のすぐ近くにある西陽門。これはちょっと他の牌楼とは毛色が違う感じがする門だ。こちらの修繕はすでに完了している。

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この門だけ解説の銘板がついていて、どうも少数有志の寄付金で作ったような感じである。

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まとめてみると、牌楼の現状は以下の通りとなる。

・善隣門:修繕中(10月まで)
・延平門(西門):修繕済
・朝陽門(東門):修繕中(7月まで)
・玄武門(北門):修繕中(7月まで)
・朱雀門(南門):修繕済
・地久門:修繕済
・天長門:未修繕
・市場通り門(北):修繕中(9月まで)
・市場通り門(南):未修繕
・西陽門:修繕済

8月に入れば東西南北の門は修理完了となるので、それほど記念写真撮影に困ることは無いだろうと思われる。

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【費用の話】

さてさて、これらの10基の牌楼の修繕費用だが、いったいどれだけかかるものなのだろうか?ちょっと調べてみたら、2014年11月頃のカナロコの記事が引っかかった。それによると、

修繕に掛かる費用約1億8千万円のうち、3分の2は安全・安心な
まちづくり向けの国の助成金
を充てるが、残り約6千万円は組合員らから
寄附を募るという。

(注)引用部分の色づけは私の方で行ったもの。以下の引用部分についても同様。

費用の3分の2となると、1億2千万円が国の助成金から出るらしい。いったいどういう口実でそんな費用が国から出るのだろう、といろいろ探した結果、ようやく「神奈川県中小企業団体中央会」のページでこんなものが見つかった。

安心・安全な生活環境を維持する施設・設備等の整備等を支援する
「平成25年度補正商店街まちづくり事業」
を募集中です。
<全国商店街振興組合連合会(全振連)を通じて、
「商店街まちづくり事業事務局」(株式会社電通が事務局機能を受託)
が事業を実施>
公募要領・応募書類・申請ガイドブックは全振連ホームページ

へえ、電通ってこんなところにも入りこんでいるんだ、と思いつつ「全振連(全国商店街振興組合連合会)」の「商店街にぎわいPLAZA」というページに行って探してみると、こんなものが見つかった。

2014/08/08
平成25年度補正商店街まちづくり事業(補助金)
第3次先行募集の補助事業者を採択しました

さらに先に進んで採択リストを見て行くと、あったあった。
228番目の項目に発展会の案件がある。

228
神奈川県 横浜市中区
横浜中華街発展会協同組合
ゲートの改修

おそらくこれが1.2億円の助成金の出所と思われる。

この『商店街まちづくり事業』だが、詳細な要領はどうなっているのだろうと見てみたものの、「商店街にぎわいPLAZA」の該当ページからは各種書類へのリンクが消されている。仕方が無いのであちこち探し回ると、「中小企業庁」のページと要領や各種フォーマットを消さずにおいてある「香川県三豊市商工会」のページが見つかった。

それを見ると、補助金にはこんな縛りがあるようである。

(1)補助金は事業の2/3まで、上限1.5億円
(2)平成27年12月25日までに実績報告書の提出が必要。
(3)補助金は報告書の提出後、補助金額確定後の精算払い。
(4)事業の効果測定をしなくてはいけない。

なるほど。今回の修繕は12/25までには終えないといけないわけか。で、(4)だが、『安全安心』と『街の振興』がお題目となっている補助金であるためか、こんなことを確認しなくてはならないらしい。しかも事業後5年間に渡って調査をするようだ。


  • 地域住民アンケートで、「安全になった」と回答する人の割合が年々増えること。
  • 通行量調査で街にやってくる人が年々増えること。

ちなみに補助金の申請書には上記の年ごとの目標値を数値で入れることになっていたりして、関係書類を読んでいてなんか頭が痛くなった。事業をやりっぱなしにはせずに、その効果の有無を見定めなくてはならないというのは分からないわけではないのだが、こんなんでいいんだろうか?小役人の言い訳作りのための項目に見えるのだが。

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さらに調査は続く。先ほどの「中小企業庁」のページを見ると、はこの補助金は国から「全振連」に金が渡って基金となり、事務局が窓口となって申請を受け付け、有識者(?)の会議で個々の案件に金を渡すことが決まる、という構造になっているようだ。

では、国からはどういう費目でこの基金に金が出ているのだろうか?そしてその予算規模は?

ここでまた「商店街にぎわいPLAZA」のページに戻る。『商店街まちづくり事業(補助金)』に関する一番古い記載を探すと、2013(H25)/3/15付けの募集案内が見つかる。ということは、2012年度(H24年度)の予算で組まれている可能性が高そうだ。

そして、経産省の予算ページから、「平成24年度経済産業省関連補正予算のPR資料」「2.中小企業・小規模事業者対策」とたどっていくと、・・・いたいた。パワポ資料の4ページ目

商店街まちづくり事業
平成24年度補正予算額
200.0億円
中小企業庁商業課

ついでに「平成24年度経済産業省関連補正予算の各目明細書」から「一般会計」の資料の方も見てゆくと、PDFの20ページ目に、

60062-2405-16
中小企業経営支援等対策費補助金

というのがあって、内訳のところに

商店街まちづくり事業
19,998,545千円
民間団体等
定額

とある。これで今回の補助金の根っこまでたどり着いたようだ。めでたしめでたし?しかし随分と半端な額になっているな。いろいろと全体的につじつまを合わせるためにゴニョゴニョしたんだろうな。

ところでだ。良く読むとこの『中小企業経営支援等対策費補助金』はH24年度成立予算額では93億円程度だったようだ。それが補正要求によってなんと2449億円までふくれあがっている。どっかの新国立競技場もびっくり。国はこの辺の額の妥当性や可否判断をいったいどうやってやっているのだろう?国ってほんとに金がうなるほどあるんだな。来年から所得税&住民税を1/10にしてくれてもいいんじゃないかな。

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というわけで、ちょっと牌楼の工事の具合をまとめていたら、補助金やら予算の膨れあがり方にまでたどり着いてしまったのだった。税金は大切に。

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コメント

なかなか面白かったです。
以前、北門の横に張り出した大きな珠が落下したことがあります。
幸い、通行人がいなかったのでたいしたことにならなかったのですが、
修繕したあとの牌楼には珠が復元されたのか撤去したままなのか、
気になってきました。

ところで、牌楼の修繕に多額の税金を使うなら、
関帝廟通りの傾いた電柱を早く安全にしてもらいたいものです。

投稿: 酔華 | 2015年7月21日 (火) 07時54分

★酔華さん

北門で落下事故があったんですか。
ちょっと過去記録をあたってみましょう。

電柱の方はなんとかするための口実が付く予算枠が無いでしょうから
お役所仕事的には「できません」で終了でしょうね。

投稿: 本須 | 2015年7月22日 (水) 07時15分

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