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2015年12月31日 (木)

2015年を終えるにあたり

2015年ももうすぐ終わり。例によってこの1年を振り返ってみる。

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下のグラフは、横浜中華街における中華料理を出すレストランとして私が把握しているお店の廃業・開業状況についてまとめたものである。2015年は昨年激増した廃業・開業数が大幅な減少に転じ、ここ何年かの中では最も動きの少ない年という結果となった。なお、廃業数は10年ぶりの低水準である。

2015chinatown

今年閉店した店舗は「龍城飯店」「好々亭」「日昇酒家」「新新」「明華」「京華樓市場通り店」「雲龍」の7店舗でカウントした。「中華飯店」の移転と「龍翔飯店」が「中国飯店」に店名変更した件はカウント外とした。

今年開店した店舗は「東北人家新館」「宏福楼」「聚香閣」「王府井酒家」「好好亭」「中南海」「廣新楼」の7件でカウントした。

閉店店舗の中では「雲龍」の閉店は大変残念だった。いつかは来ると思っていたものが、とうとう来てしまったという感がある。同店の閉店については残念に思う人もかなり多かったようで、閉店前の2週間くらいはすごい行列ができていた。名残を惜しむ人たちによる貸切宴会というのもあったようだ。小規模店舗で常連もついて営業上は問題無いのに、お店の人の老齢化が進んで後継者もいないため閉店する、というパターンは今後も徐々に出てくるのではないかと思う。噂ベースではもう何店舗か閉店に向かっている店舗の情報を耳にしているので、来年も似たような閉店が出てきそうだ。

「中華飯店」と「廣新楼」についてはどちらも規模を縮小しての移転であるが、「中華飯店」については席数は落としているが、メニューはそれほど変わりないようだ。一方「廣新楼」については、相当メニューを落として以前とは大きく内容が変わっており、同じ縮小移転であっても状況は店それぞれである。

今年は移転や系列店のオープンがほとんどで純粋な新店はほぼ無かったように思える。「聚香閣」はもしかすると純新店なのかもしれないが、「日昇酒家」との関係が残っているのか残っていないのかどうもはっきり見えていない。

開店店舗のうち、「宏福楼」「王府井酒家」「好好亭」「中南海」は全て既存店舗の系列であり、食べ放題店である(ただし「宏福楼」については東北料理も供している)。これらについてはあまり興味が湧かないというのが正直なところだ。さすがに今年は食べ放題店もピークアウトするだろうと思っていたのだが、全くそんなことはなかった。

今年の新店の中では「東北人家新館」が羊肉料理や鍋料理を売りにしていてなかなかおもしろそうに見えた。「東北人家本店」の方でもしばらく前にメニュー改訂があったようで、新店に準じたおもしろそうなメニューが増えている。ただ、犬鍋はマイナー過ぎたのか、本店メニューから消えてしまったようだ。本店と新館で同じ料理を出している部分もあるが、個人的には新館の調理の方が好みだった。

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2015年の人出については、毎週歩いている感じでは例年並をキープしているように見えている。いつものことだが連休の中日は超混雑する。

客筋については、今年も目立つのは『歩き食べ』で、相変わらずひどい状況だ。グループ客が円陣を組んで路上を塞ぎ、立ち食いにいそしむ風景はほんとにイヤになるほど見かけた。「この場所での飲食はご遠慮下さい」と書かれている貼り紙の真ん前で知らんぷりして食べ続けるグループ・家族も相変わらず連日見かける。

ある店の店頭で買った品を、全く関係ない店の店頭に持っていって通路や入口を塞いで立ち食いする、というのはやられる方はたまったもんじゃないだろうし、おそらく苦情もそれなりに出ていると思われる。その苦情対応のためか、最近は食べ歩き品を売る店の中に言い訳程度の食事スペースを設けるお店が出てきている。だが、スペースが足りているようには全く見えない。

栗売りはもうフェードアウト気味で、一頃に比べると随分静かになった感がある。食べ放題の客引きも一部の店を除けば割と抑制的で、自店舗を大きく離れて路上をうろうろして客引きするような店を避ければそれほど不愉快な思いはしないのではないかと思われる。

食べ放題店はすでにチキンレースに入っているように見えるが、さすがに価格のたたき合いのみでは消耗戦になると見え、最近では自店舗の特色をアピールしたり、プレミアム系のちょっと値段が高めの食べ放題にシフトしてきているように見える。昨年オープンした「北京ダック専門店」は北京ダック専門を掲げたプレミアム系の食べ放題店だが、分かりにくい立地の割に健闘しているようで、他店舗も同店に影響を受けた動きを見せている。最近になって『小龍包専門』とか『手作り餃子専門』とか『フカヒレ専門』を掲げるお店が出てきている。関帝廟通りの「龍翔記」なんかは、売店部分を潰して「北京ダック専門店」の店頭に似たダックをぶらさげるスペースまで作り始めている。

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食べ物以外の話題としては、オリエンタルホテルの閉店および取り壊しが印象に残っている。こちらも老朽化が進んでいたため、いつかそうなるだろうと思っていた話ではあった。つくづく1度だけでも泊まっておいてよかったと思う。あんな雰囲気の宿泊施設はもう中華街には現れないだろう。

なお、オリエンタルホテルの跡地には「オリエンタルビル」という店舗・住居兼用ビルが建つようだ。そしてその隣の駐車場は現在閉鎖され、そこには別のホテルが建築されるようである。近頃、外国人観光客の割合も増えており、2020年のオリンピック需要も見込んだ再開発案件が中華街にもやってきているようである。最近「雲龍」の隣の駐車場も閉鎖され、そこに隣接していた民家も取り壊された。ここにも何かその手の案件が入ってきそうな気配である。

中国系観光客の爆買いを意識した動きも見えている。中華街郵便局の隣には「東京生活館」というドラッグストアがオープンした。「永楽製麺所」跡には今年「業務スーパー」が営業を開始したが、そこの2Fにもドラッグストア的な品揃えがなされる模様だ。さらに、もう1件ドラッグストアが中華街内にオープンするというような噂も聞こえてきている。

今年は牌楼の修復工事が順次行われた。総額で億を超える事業費の案件だったようだが、秋には無事に全ての牌楼の修繕が完了した。11月末には修繕完了祝いの獅子舞があったのだが、大陸系と台湾系の獅子が一緒に舞いを見せるという大変珍しい光景が見られた。

牌楼の修繕に予算を取られてしまったせいか、美食節はどうにも存在感が薄く、特に楽しめるものも無いまま終わってしまった感がある。春節用のイルミネーションもかなりシンプルな造りに抑えられ、予算的に苦労しているような印象を受けた。

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とまあ、2015年の中華街も本当にいろいろなことがあった。今年は食べる方についてはそれほど動きはないものの、再開発的な動きが出てきて街としての大きな変化が始まってきたように思う。これから2020年のオリンピックに向けてさらに大きな変化が見えてくると思うが、例によってそれなりのペースで中華街の観察を続けてゆくつもりである。来年もおいしいものをいろいろ食べることができますように。


(2016.1.1追記)

「揚州茶楼」が12/30をもって閉店していたことが記事アップ後に判明した。そのため、2015年に閉店した店舗数は8店舗となる。

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コメント

「揚州茶楼」が閉店しましたか・・・
昔はよく行ったものです。
サイズが小さめなので、多種類食べられました。
小さい子供連れには座敷もあって、いい感じだったのですが・・・
別館が消え、本店が移転し、そして茶楼が消え、
なにかあるようですね。

投稿: 酔華 | 2016年1月 2日 (土) 07時35分

★酔華さん

昔の「揚州茶楼」は土曜日もランチを出していたので、
その頃はよく行きました。
ランチ付属の杏仁豆腐がかなりおいしかった覚えがあります。

本店が移転した頃から土曜日のランチメニューをやらなくなってしまい、
グランドメニューの値段も本店並みに高くなってしまったので、
あまり行かない店になってしまいました。

「揚州麺房」の方もしばらくリニューアルでお休みしていて、10月で復活していました。
こちらはスタッフが変わったようですが、他はそれほど変わりないようです。
中華街で餃子を食べるときは麺房の方に時々行っています。

投稿: 本須 | 2016年1月 3日 (日) 11時06分

揚州茶楼の閉店は知りませんでした。
ちょっとびっくりしました。
雲龍の閉店はショックでしたね。
いまだにあの味が恋しくなります。

2014年の美食節はコラボレーションディナーに参加したのですが
昨年は内容がグレードダウンし料金が上がった印象だったので参加しませんでした。
コラボレーションディナーに参加していた華正樓が
直前に食中毒で営業停止になっていたので
食事を提供したのかしていないのか、
メニュー構成はどうなったのか気になっています。

食べ歩きはどうしたらいいのでしょうね・・・。

投稿: tttttakashi | 2016年1月 4日 (月) 00時29分

★tttttakashiさん

揚州グループのHPを見ると、「揚州茶楼」の閉店は
12月初旬にはすでにアナウンスされていたようです。
店頭を見ていた限りでは全然気づきませんでした。

美食節のコラボレーションディナーですが、料理の取り分は
参加費の半分以下じゃないかという気がします。
今回はコースの締めが梅蘭焼きそばになっていたりと、
まったく興味の持てない内容でした。

「華正樓」の食中毒については、「華正樓」本店が該当だった
ようなので、ディナーは「華正樓新館」の方で対応したんじゃ
ないかと思います。

食べ歩きはもう行くとこまでゆくしかないんじゃないかと思います。
栗売りとか食べ放題の客寄せの時と同じように、ある程度の
ところまで行ったところでころっと状況が変わるかもしれません。


投稿: 本須 | 2016年1月 4日 (月) 20時30分

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