2017年を終えるにあたり
2017年ももうすぐ終わり。例によってこの1年を振り返ってみる。
下のグラフは、横浜中華街における中華料理を出すレストランとして私が把握しているお店の廃業・開業状況についてまとめたものである。2017年は例年になく入れ替わりが少なく、私が店舗の改廃をウォッチングしはじめた2005年以来の落ち着いた年となった。
今年閉店した店は「海員閣」「慶福楼」「順海閣酒家」「笑里寿」の4店舗。ここにイートインに業態変更した「桃香園」を含めて5店舗としてカウントした。なお「大珍樓本館」と「上海豫園本館」については昨年の閉店分でカウントし直しているので今年の閉店店舗数のカウントには入っていない。
「海員閣」の閉店についてはとうとう来るべき時が来てしまったか、という感がある。建て直して再開という話もあるようだが、今のところ具体的な再開のスケジュールが見えないこともあり、いったん閉店の扱いとした。
開店店舗の方は「錦里」「永泰楼」「福満園餃子バル」「四川麻婆新館」「蘭州牛肉拉麺」の5店舗。完全な新店は「錦里」と「永泰楼」くらいか。なお「蘭州牛肉拉麺」は「東珍味」の系列店である。
「錦里」は四川料理系の店で店内で『変面』のショーを行うのを売りにしている。料理も割と多彩な内容を揃えているようだ。「永泰楼」はなぜか店頭でクレープを売っている。ランチにもミニクレープがついていたりと中華店舗としては不思議な売り方をしているお店だ。
今年の新店の中で最も注目したのは「蘭州牛肉拉麺」。店名にもなっている『蘭州牛肉拉麺』は注文してから厨房で麺を打ち始めるというおもしろい出し方をしている。また、幅広麺の『ビャンビャン麺』という漢字表記がとてもめんどくさい品もあってかなり特徴が際立ったお店だ。さらにショップカードを見ると2Fは『ボウボウコウ』として香港料理を、3Fは台湾料理を出すという。これらの料理は夜だけでなく昼間でもOKとのことだ(ただし全メニューOKではないかも)。「大珍樓」の「ボウボウコウ」が失われた今、つい期待してしまうお店となっている。
なお、めりたさんはすでにいくつかの料理を食べているようだ。
ところで、『ビャンビャン麺』については伊勢佐木町の「鳳凰楼點心舗」で春頃には出し始めていたようなので、横浜中華街の『ビャンビャン麺』は後発になるようである。あと中華街内では「金香楼」が『手打ち撕き麺』という幅広麺を昨年末くらいには出している。
昨年オープンした店の中では「南粤美食」が順調に育ってきている感がある。今年出して来た、歯ごたえが独特の香港麺を使った「海老雲呑麺」は大変においしい。夏にはこの冷やしバージョンなども出していたようだ。
香港麺についてはその後、関内の「賢記」でも出してきているが、私はどちらかというと「南粤美食」の方がワンタンやスープに独特の味付けがされていて好みだった。
食べ放題店については今年は特に書き足すことは無さそうだ。1680円の安めの食べ放題メニューを前面に出して消耗戦を継続中といったところか。
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とまあ、中華料理店という観点からは今年の中華街はやや穏やかに推移したように見えている。
中華料理店以外の動きでは「ブラジル」が閉店したのはとても残念だったが、これもいつかその時期が来る案件の1つだったので、いたしかたないと思っている。こちらの卵サンドは結構おいしかったのだが。
今年度も横浜にはあまり戻ってくることができなかったので、きちんと現況に追いついているかどうかは不安だが、来年も引き続きのんびりペースで中華街の観察を続けたいと思う。
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【おまけ1】
麦田に「悠楽」という点心や中華系惣菜を売るお店ができたのだが、「永楽製麺所」復活版の麺がこちらで売っているようだ。
【おまけ2】
「七福小龍包」が「七福ラーメン」と店名を変えたようだ。おそらく「蘭州牛肉拉麺」に触発されたのだろう。
【おまけ3】
「謝甜記弐号店」の上階にある「辰すし」でカレーを出し始めたようだ(12/14から)。どなたかのレポートを待ちたい。
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