2018年を終えるにあたり
2018年ももうすぐ終わり。例によってこの1年を振り返ってみる。
下のグラフは、横浜中華街における中華料理を出すレストランとして私が把握しているお店の廃業・開業状況についてまとめたものである。2018年は穏やかだった昨年とは打って変わって一昨年並に入れ替わりの激しい年となった。
今年閉店した店は「永泰楼」「六福楼」「金華園」「留仙閣」「興福楼」「白楽天」「好好亭」「龍華樓」「重慶飯店別館」「龍江飯店」「黄鶴楼」「彩香」の12店舗に加え、休業が続いている「大福林」をカウントに含めて13店舗とした。
「重慶飯店別館」は平日ランチではやや高めの値付けではあったものの、非常に多彩なランチメニューを供していたという点で閉店が惜しまれる店だった。本店の方は10月に新築してリニューアルオープンしているがこちらの平日ランチもリニューアル後はかなり値付けがあがって普段使いにはハードルが上がった感じがする。グループ店舗再編を含めてターゲットとする顧客層をやや高価格帯にシフトしているようだ。
開店店舗の方は「黄鶴楼」「海員閣(新)」「香港酒家」「海南鶏飯」「東方蘭州牛肉麺」「景福園」「美心酒家」「餃子センター興記」「頂好茶樓」の9店舗。
「黄鶴楼」は「六福楼」跡にオープンした店だが、半年程度であっという間に撤退してしまった。現在そこでは「景福園」が営業を開始している。ここのシェフは「景徳鎮」の厨房経験ありと貼り紙が出ていたようだ。
「海員閣(新)」は旧店舗を改築し、5月末に再オープンした店だ。人員は全て入れ替わったようで、営業形態もまだ試験運用という段階のようである。メニューも営業時間もかなり絞っている。
「香港酒家」は順海閣売店跡にできた食べ放題。「海南鶏飯」は「好好亭」跡に居抜きで入った海南鶏飯やシンガポール系中華のお店。「東方蘭州牛肉麺」は「一麺の緑」跡に入ったか、単に業態を変更した牛肉麺の店。「美心酒家」は「龍華樓」跡に入った香港料理を供するお店のようだ。「餃子センター興記」は1Fが歩き食べ用の店舗、2Fがレストランという、「王府井」や「鵬天閣」グループに似た売り方をする店だ。「頂好茶樓」は「Teatime」の跡に入ったか、店名変更をした店。主に台湾料理を出しているようだ。
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今年の新店の中で期待したいのは「美心酒家」。昨年オープンした「蘭州牛肉拉麺」と同様に「東珍味」の系列店だ。「南粤美食」を意識しているようで、香港麺の雲呑麺がメニューに入っている。私が食べた感じでは「南粤美食」の方が好みだと思えたが、行列ができて「南粤美食」に入れないようなら「美心酒家」の方に流れるのも良い選択ではないかと思えた。立地も奥まっているので今はかなり穴場的な店になっている。
これまで猛威を振るっていた食べ放題だが、今年はさすがに頭打ちになった感がある。新店の「香港酒家」は食べ放題だが小規模店。そして「龍江飯店」が閉店したので食べ放題店トータルとしては今年は増加がなかった年となる。
宿泊系店舗の進出が目立ったのも今年の特徴かと思う。料理店の跡に料理店が入らずに宿泊系店舗になってしまうケースで、「酔仙酒家」「茘香尊酒家」「興福楼」跡がそれにあたる。おそらく東京オリンピックでの外国人宿泊客需要を見込んでいるのだと思うが、オリンピック後にはたして営業が続くのかどうかも興味深いポイントだ。デイユースで30分あたりいくらでスペースを貸しているところもあり、中華街散策で疲れてちょっと休みたい向きには便利に使える店もあるかもしれない。
あと、今年の新店は総合中華的な店舗が少なかったように思う。大抵の店が何らかの売りとなる分野を定めてオープンしているように見えた。
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今年の中華街はこれまでの流行りが飽和してきて、次の何かを探していろいろ模索が始まってきている段階に入ったように見えている。そして何かヒットが生まれるとそれに追従するところがどっと出てくる、というパターンがまた繰り返されるのだろう。つくづく見ていて飽きない街だ。
例によって今年も横浜を訪れる機会はそれほど無く、見落としも多々あるような気がするが、来年も引き続きのんびりペースで中華街の観察を続けたいと思う。
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例によって今年も横浜を訪れる機会はそれほど無く、見落としも多々あるような気がするが、来年も引き続きのんびりペースで中華街の観察を続けたいと思う。
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【おまけ1】
料理店のカウントには入れなかったが、喫茶系で「SOY CAFE」と「茶音」がオープンしている。
「SOY CAFE」は福建路の携帯電話店が撤退した跡に入った店で、台湾スイーツ(主に豆花)を出している。

料理店のカウントには入れなかったが、喫茶系で「SOY CAFE」と「茶音」がオープンしている。
「SOY CAFE」は福建路の携帯電話店が撤退した跡に入った店で、台湾スイーツ(主に豆花)を出している。

「茶音」は南門シルクロードの「悟空」隣に12月にオープンしたばかりの店で薬膳茶を出すお店だ。
あと、立地的に中華街の外になるかと思うのだが春頃に「MeetFresh 鮮芋仙」という台湾スイーツの店がみなとみらい線出口付近にオープンしている。おそらくここの経営は「揚州飯店」グループだと思う。
この辺の選択肢がいろいろ増えるのはうれしいことだ。
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【おまけ2】
「揚州茶樓」跡がようやく決まったようだ。「いく田」というお店で1月下旬オープン予定。しゃぶしゃぶやすき焼きなどを供するお店になるようだ。
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【おまけ3】
【おまけ3】
伊勢佐木町方面にあった「岳」という上海料理屋が横浜本町郵便局近くのドトールが入っているビルの地下1Fに移転したようだ。前より席数が増え、店内も落ち着いた感じになった。
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【おまけ4】
石川町のたこ焼き屋が入っていた物件に「餃子スタンド玲玲」というお店が入っていた。一口餃子系のお店のようだ。
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【おまけ5】
中華とは全く関係が無いのだが、本牧通りの「月嶋寿司」が閉店していた。ここの店頭で売られていた寿司は格安で非常においしかったので閉店は非常に残念である。
【おまけ5】
中華とは全く関係が無いのだが、本牧通りの「月嶋寿司」が閉店していた。ここの店頭で売られていた寿司は格安で非常においしかったので閉店は非常に残念である。
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